ウガンダから帰国しました。

アフリカから帰国した家族のお話。

ちびぞう、青ねぎとの登園

ウガンダの家の庭には、ちびの愛する鶏の暮らす鶏小屋に加え、ちびの祖父母が大事に育てる畑がある。

畑にはこちらではすぐに手に入りにくい野菜や、使用頻度の高い野菜が育てられていて、畑に毎朝晩水をやるのもちびの大事なタスク。

朝は幼稚園への登園まえ、必ず鶏に餌をやり、畑に水をやり、畑に生えている雑草の中からクローバーを探し、鶏にクローバーを食べさせる(うちの鶏はクローバーが大好物)、というのがちびの活動の、一連の流れになっている。

f:id:ranka_toba:20180126024257j:plain

そんなちびの一連の流れに最近加わったのが畑のねぎちぎりという作業。

いつの間にか勝手にねぎの先っぽちぎって、そのねぎを握りしめている。

いつの間にか。

 

最初の数回は私に怒られ、祖父母に怒られ「もう勝手に葉っぱを取らない」と約束したのだけど、でもこっそりねぎをちぎっている。

しかも少しだけ。ほんの少し。

最初は怒ってた私たちもほんの少しだし固くなっている青い部分だからもういいや、と気にしなくなるように。

 

今朝は幼稚園へ向かおうと車に乗ると、ちびがねぎを手に握りしめているのを見つけた。

またちぎってるよーと思った私だったのだけど、もう特に触れもせず、そのまま幼稚園へ。

 

すると幼稚園へ行くとその青ねぎを先生に真っ先に見せるちび。

先生が「またねぎを持ってきたのね!」とニコニコ。私のほうに振り返り「いつもねぎを持ってきては見せてくれるのよー。どこから持ってくるのかしら?」と。

話しかけてくれる先生に対し、ねぎを見せながらも無言を突き通すちび。

でも先生はそんな無言で無表情のちびに対して一生懸命話しかけてくれる。

いつも幼稚園に持ってきていたのか!

 

無表情ながらも先生にねぎを見せ続けるちびを見て、「何かきっかけが必要だったんだなぁ」とようやく気が付いた私。

誰かと仲良くなる時や、コミュニケーションを始めるときって必ず何かきっかけが必要だ。

特に言葉が伝わらない相手と仲良くなったり距離を縮めたりしたいとき、間違いなく何か、相手がコミュニケーションをスタートしてくれるようなきっかけをいつも探すことになる。

それが人によってスポーツだったり、アートだったり、勉強だったり、いろいろ。

 

私も英語にまだ不安があったとき(いまでもありますけどもちろんw)、話しかけてもらえるきっかけをいつも探していたように思う。自分でうまく話しかけることができなくて。いつもいつも周りを見渡しては、話しかけてもらえるきっかけになるものを探していた。思い出すと胸がきゅっとなる思い出の一つ。

 

今回のちびの場合、それがきっと青ねぎだったんだなぁ。

そう思うと彼の握りしめるそのねぎがとんでもなく愛おしいものに思えて、またもじわりと泣きそうになる私。

 

そしてそのねぎを握りしめて登園した日。

ちび、初めて泣かずに登園することができました。

歯を食いしばって、不安定な表情で、何かあったらいつ泣き出してしまってもおかしくないようなアンバランスさのなかだったけど、泣かずに「またね!バイバイ!」と私たちを送り出してくれるその姿に、とんでもない成長を感じ、確実に彼の中に強さが生まれてると感じた朝でした。

今週末は3連休。

月曜日はまた盛大に泣くんだろうと思うけど、青ねぎをちぎる彼の姿はそっと見守ることにしようと思う。

f:id:ranka_toba:20180126024114j:plain